「接触|感知|表示」という3層構造

iPhone4 マルチタッチの仕組み
iPhone4などに使われているこの3層構造で何か考えることができないかと思っている.3層構造がマルチタッチを実現していることには,何かしらの意味があるのではないか.フロイトのマジックメモも3層構造なので,何か考えるヒントがここにはあるような気がしている.
iPhoneは大きなマルチタッチディスプレイと革新的なソフトウェアを搭載しているので,指先だけですべてをコントロールできます.その仕組みをちょっとだけご紹介しましょう.まず,ガラスに貼付けられたパネルが,電界を利用して指先の接触を感知します.さらに複数の指による接触を識別し,ピンチして拡大,2本指でタップなどの高度なジェスチャーも読みとります.このパネルで収集した情報が,その下にあるRetinaディスプレイに伝達され,思いのままの操作をできるようにするのです.http://www.apple.com/jp/iphone/design/
保護層としての「ガラス」,接触層としての「電解を利用して指先の接触を感知する」パネル,その下にある表示層としての「Retinaディスプレイ」. パネルを「接触層」としてみたけれど,実際に指と接触しているのは「ガラス」である.しかし,指の接触を感知する層として機能している.接触層としての「ガラス」,感知層としての「パネル」となるのだろうか.「接触|感知|表示」という3層構造が,マルチタッチを可能にしている.これが,ディスプレイ上のイメージに「直接」触れているという感覚をつくり出している.

仕組みを説明する図では,感知層が盛り上がったりように表示されていることから,「層」というよりももっと柔軟な感じがする「膜」といったほうがいいのかもしれない.そして,図では3つがそれぞれ離れているが,実際は密着している.3つの層が密着して一枚の薄い膜として機能することで「直接」という感覚をつくり出しているのであろうか? 

このブログの人気の投稿

「グリッチワークショップ」を見学して考えたこと

あのマウスカーソル邪魔じゃね?

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

お仕事:ヒューマンインターフェースの歴史 :「よくわからない」から、身体で感じるコンピューターへ

2046年の携帯電話と2007年のスマートフォンのあいだにある変化(1)

「サブシンボリックな知能」と Doing with Images makes Symbols

2021~23年度科研費「生命の物質化・物質の生命化に関する理論調査と制作実践」成果報告会

マウスとカーソル:カーソルによる選択行為

2023年の振り返り👀✍️