版ズレとスペーサーGIF

高校生といっしょに新聞社の見学に行ってきた.印刷現場の見学はとてもテンションが上がった.カラー原稿がある新聞の刷り始めは,版ズレが生じているのに驚いた.工場の人が刷り上がった新聞を広げてチェックしては,「青,右,赤,左」などと版のズレを直していく.素人目にはズレなんか生じていないなものでも,どんどん修正が入る.修正しているあいだにもどんどん新聞は刷られていく.修正完了前の新聞は古紙回収に回されると説明を受けた.

紙の印刷でカラーをやると版ズレが起こる.デジタルの世界,ディスプレイの世界は版ズレは起きないのか? ディスプレイのキャリブレーションをとるという行為はあるが,版ズレはないかもしれない.グリッチが版ズレか? 版ズレはないけれど,ウェブページにはスペーサーGIFがある.空間をしっかりと空けるためにスペーサーGIFを必要とするリアリティと,カラー印刷における版ズレというエラーが示すリアリティはなんとなく通じるところがあるのではないか,ということを思った.

このブログの人気の投稿

「グリッチワークショップ」を見学して考えたこと

あのマウスカーソル邪魔じゃね?

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

お仕事:ヒューマンインターフェースの歴史 :「よくわからない」から、身体で感じるコンピューターへ

「サブシンボリックな知能」と Doing with Images makes Symbols

2021~23年度科研費「生命の物質化・物質の生命化に関する理論調査と制作実践」成果報告会

2023年の振り返り👀✍️

2046年の携帯電話と2007年のスマートフォンのあいだにある変化(1)

スケッチパッドで描く,ふたつの手(4)