お仕事:ヒューマンインターフェースの歴史 :「よくわからない」から、身体で感じるコンピューターへ


タイトルのようにヒューマンインタフェースの歴史に関するテキストです.テキストのリード文です.

人間とコンピューターとが触れ合う場,それがヒューマンインターフェースである.マウスを使うとか、ディスプレイに触れるとかの行為だけにとどまるのではなく,これらの行為を通じて人間がより賢く,豊かになっていくひとつの環境なのだ.それゆえにヒューマンインターフェースは、これからの人間のあり方を決める大きな要素とも言える.このテキストでは人間とコンピューターとの関係を決定してきた「ヒューマンインターフェースの歴史」を概観する.
博士課程時代に「インターフェイス」について研究していました.そこではこんな博論を書きました.上のテキストで「インターフェイス」に興味を持たれた方に読んでもらえたらうれしいです.
博士学位申請論文「GUI の確立にみる『ディスプレイ行為』の形成過程」,名古屋大学大学院情報科学研究科,2009年1月 
コンピュータがアナログからデジタルへとイメージの性質を変化させるだけではなく,道具の変化を促し,ヒトの身体的行為を変化させていることを考察した. GUI というディスプレイ上のイメージの変化ともに,ヒト行為とイメージとが結びつき「ディスプレイ行為」という新たな行為を形成したことを提示した.
GUIというものを工学的視点ではないところから考えてみたかったし,今も考えています.近頃,「インターフェイス美学」というものが海外でちょっと盛り上がっているみたいです.私の論文もこういったところにカテゴライズされると面白いなと思っています.そして,Rhizome の記事「Interface Aesthetics: An Introduction」が「インターフェイス美学」についてコンパクトにまとめています. この記事を書いたJASON HUFFという人は,「Beyond the Surface: 15 Years of Desktop Aesthetics」という記事も書いています.

このブログの人気の投稿

「サブシンボリックな知能」と Doing with Images makes Symbols

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

画面分割と認知に関するメモ

『はじめて学ぶ芸術の教科書 写真2 現代写真ー行為・イメージ・態度』への寄稿

2021~23年度科研費「生命の物質化・物質の生命化に関する理論調査と制作実践」成果報告会

出張報告書_20150212−0215 あるいは,アスキーアート写経について

メタファーと身体の関係

2046年の携帯電話と2007年のスマートフォンのあいだにある変化(1)

MASSAGE連載09_小林椋《盛るとのるソー》 ディスプレイを基点に映像とモノのあらたな「画面」状態をつくる